日本の独自の文化やルール
日本独自の文化やルールにスポットをあてて、日本の特徴をご紹介します。
知ることで違いを楽しみ、様々な面から日本への理解を深めてみませんか。
「心」
日本人(特に女性)は大笑いする時に口元を手で隠す礼儀がある
日本では口を大きく開けて大笑いすることは、「お行儀が悪い、品がない」と思われることがあります。
口元を手で隠すことは、日本人が礼儀の仕草の一つですが、国や文化が異なる外国人には「なぜ口元を隠すんだ?」と不快に受け止める人もいます。
「行動」
ラッシュ時のすし詰め満員電車が解消されてきた
日本の都心の風景として有名だったラッシュ時のすし詰め満員電車ですが、最近ではリモート・ワークを導入する職場も増えてラッシュ時の混雑が解消されてきました。
国土交通省が調査した令和2年の平均混雑率が、東京圏は107%(昨年度は163%)、大阪圏は103%(昨年度は126%)、名古屋圏は104%(132%)となり大幅に低下しました。
しかし、すし詰めの電車を動かす日本の電車の秩序だったシステムや正確さは日本人の気質が生んだ誇れる文化なのではないでしょうか。
特に東京圏の地下鉄や私鉄では、動いている列車の数が多いにも関わらず正確に分刻みに運行します。
その上、数十秒でも遅れたら謝罪をするというように、日本の電車の時間は緻密な秩序があり正確で洗練されたシステムになっているのです。
エスカレーターでの立ち位置が地域によって違う
最近では、転倒防止のためにエスカレーターでは歩かないようにとアナウンスされることが多くなっていますが、左右のどちらかに立ち、急いでいる人のために片側を開けるのがマナーとされてきました。
この片側を開けて立つ位置が、東京をはじめ関東では左側に立ち、関西の大阪、兵庫、和歌山では右側に立ちます。
同じ関西でも京都では左側右側両方の場合があります。
電車やバスなどの公共交通機関で居眠りをする人がいる
日本は毎日の電車やバスでの通勤通学で居眠りする人がいます。
目的地とは反対方向の始発駅に行ってから座って、寝ながら通勤するという方もいます。
外国人からすると泥棒にあったり寝過ごしたりしないのか、または働きすぎて疲労困憊なのかと驚かれます。
自宅から職場まで遠く通勤の時間が長いというケースもあります。
日本は治安が良く安心して居眠りする人もいれば、公衆の面前で化粧をしてもあまり気にならないという人もいます。
「景観」
空を見上げると電線がいっぱい
日本に住んでいるとなかなか気が付きませんが、日本の景色にはあらゆる場所に電柱が乱立し電線が交差しています。
電柱類を地中に埋めて整備することを無電柱化と言い、ロンドン、パリ、香港、シンガポールの無電柱化率は100%だそうです。
国土交通省によると日本の無電柱化率は東京23区では8%、大阪市は6%となっています。
日本でも積極的に無電柱化を進めようとした動きがあり近年無電柱化条例を策定する動きもありますが、
なかなか地中化できないのは費用面や利権関係が絡む様々な団体の足並みを揃える必要があるなど一筋縄ではいきません。
また、美観の面は電柱が乱立し電線が交差している方が日本らしくて良いといった意見があったり、
災害の面でも賛否両論あり、急ピッチでの無電柱化は厳しいでしょう。
(※1:国土交通省 無電柱化の整備状況(国内、海外) https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_13_01.html)
「習慣」
雨の日も晴れの日も傘の花が咲く
日本人は小雨でも傘をさす傘好き民族だと言われます。
日本は世界平均の2倍の降水量があり雨が多く湿度も高い気候です。
そのため雨振りの中、傘をささずに移動するとずぶぬれになり、なかなか乾かずに体調を崩してしまう場合もあるでしょう。
また、傘を持って出ることの煩わしさよりも、傘を持つ手間をかけても難を逃れたいという日本人の気質なのかもしれません。
ちなみに最近では晴れの日でも日焼け防止の為に傘をさします。
日焼け止めの効果は日傘だと地面から反射した日光を防げないため、日焼け止めクリームの方が高いと言われていますが、日本人女性は日焼け止めクリームを塗って日よけのアームカバーとサングラスやサンバイザーをつけて日傘をさすといった完全防備の方も多いのです。
「人格」
日本人の特徴「空気を読む」
「空気を読む」とは、自分の主張をはっきり伝えずにあいまいな表現をし、相手の思いを察して「忖度」や「同調」しながらコミュニケーションすることです。
グローバル化した日本では、生活する上で一国だけで完結することはありません。
そのため「言葉」にして伝える能力と空気を読んでコミュニケーションする能力、両方を使い分けることが出来るといいですね。
食事をするとき
日本では食事の始まりには「いただきます」、食事が終わると「ごちそうさま」と、食事を用意してもらったことや、食事になった食材に感謝の気持ちを込めて挨拶をします。
食事を摂るときは茶碗やお椀を手で持ち上げて、利き手でお箸を持って食べます。お箸を使う際には、ご飯にお箸を突き刺したり、お箸からお箸へ食べ物を渡したりすることはタブーとされていますので気をつけましょう。
●お蕎麦など麺類を食べる時、日本人はズルズルとすすって音を立てて食べます。
コーヒーを飲む時も熱々のままズズっと音を立ててすすり飲みします。
音を立てて食事をすることがマナー違反の外国人には驚かれるでしょう。
●日本は飲食店に限らずお店に入店すると「いらっしゃいませ」と丁寧に接する接客やサービスの質が高いと評価される。
しかし一方で、日本では飲食店やレストランで注文する際に、「すいません」と声に出して言わないとお店の人が来てくれません。
アイコンタクトだけでは駆けつけてくれませんが、お店の人を呼ぶための呼び出しボタンが設置されているお店もあります。
寿司マナー
旬が食べれる。
日本といえば「寿司」とイメージされるくらい馴染みのある料理ですが、同じ「すし」でも「寿司」と「鮨」、2種類の漢字をどのように使い分けたらいいのか?
「シャリ」や「ゲタ」などの用語があったりと、日本人でも知っているようで知らなかったりすることもあります。
知っていると安心して美味しく食べられる方法やマナーをご紹介します。
【寿司の基本用語】
- ・シャリ お寿司を作るときに使う寿司飯のこと。
- ・ネタ 寿司の材料のこと。
- ・ゲタ 握られた寿司をのせるもの。横から見ると下駄のように見えます。ゲタは動かしたりカウンターから降ろしたりしません。
- ・ガリ しょうがのこと。
- ・なみだ わさびのこと。
- ・あがり お茶のこと。
- ・かっぱ きゅうりのこと。
●お寿司は一貫(いっかん)二貫(にかん)と貫(かん)で数えます。
ただ、お店によって同じ一貫でもお寿司が1個の場合もあれば2個の場合もあるようです。
●お寿司は手で食べてもお箸で食べてもどちらでも良いですが、お寿司にお醤油をつける際はお寿司を崩さずにくるっと横に向けて、シャリではなくネタにつけます。
そしてネタが舌に当たるように食べるとよりお寿司の味を楽しんで食べることが出来ます。
ネタをはがしてお醤油につけて食べるのはマナー違反なりますので、1連の動作でお寿司が崩れずにお口まで運べる方を選ぶと良いですね。
●軍艦などには横に添えられているガリをハケのように使って、軍艦の上のネタにお醤油を塗って食べます。
ガリはお箸で食べます。
●お醤油を付けすぎたり、ネタだけを食べてシャリを残すなどマナー違反になります。
また、出てきたお寿司は出来るだけ1口で食べるようにしましょう。
大きいなと感じる場合はシャリの量を減らしてもらいましょう。
ワサビが苦手な方は抜いてもらいましょう。
●食事中にお箸を置く場合は箸置きに置きましょう。
お椀やゲタに置くことはマナー違反になります。
割り箸で食べている場合、割り箸が入っていた袋を折って箸置きにしても良いでしょう。
●最近ではお客様の好きに食べてほしいというお店も増えてきて、注文の順番に決まりはありませんが、お寿司を注文する時は素材の繊細な味をしっかりと味わうために味の薄いものから注文します。
白身など淡白なもの、赤身や光物、穴子や鰻など味の濃いもの、軍艦巻きやかっぱ巻などの巻物を注文することで終わりを伝えます。
また、汁物などの椀物も終盤に頼むのが通とされています。
「特上にぎり」や「松・竹・梅」などの決まったネタをいくつか出してもらうことを「おきまり」と言います。
「おきまり」は左から右に味が濃くなるように置かれていますので左から順に食べます。2段の場合は手前の左側が淡白なものになります。
●寿司屋のカウンターに座って「旬のネタ」や「お店の逸品」などを板前さんに聞きながら食べるのも通な食べ方です。
特に高級な寿司屋のカウンターに座る時は、カウンターの木を傷つけないように腕時計やブレスレットは外すのがマナーです。